
ダイエットにも、健康維持にも欠かせないのが食事のコントロールです。
「こんなものを食べたら痩せる」
「ダイエットしてるからお菓子は食べない」
そういったお役立ち知識は活用できるかもしれません。
しかしそれらは食事のコントロールの中でも断片的な知識にすぎないことを、ぜひお忘れなく!人間の体に必要な「三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)」をバランスよく摂取できていてこそ、お役立ち系の知識が生かされるのです。
三大栄養素の役割
糖質・脂質・タンパク質はそれぞれ、異なる働きを持っています。
糖質は脳や神経細胞のエネルギー源として働きます。
脂質は重要なホルモンや細胞膜の材料となります。
タンパク質は筋肉をはじめとする体全ての材料となります。
これら3つの摂取バランスが整っていないと、ダイエットやボディメイク以前に体が順調に機能しないのです。すると、「なんだか動きたくない」「体がしんどい」といったような不調に繋がります。
3つに共通するのは、生命維持や体を動かすためのエネルギー源としての役割も持っていることです。体内に蓄えられた糖質と脂質が優先的にエネルギー源となり、それらが不足すると筋肉に含まれるタンパク質がエネルギー源として補われます。
脂質においては、まず筋肉中の脂肪や血中脂肪がエネルギー源として使われ、その次に内臓脂肪や皮下脂肪が利用されます。
「体についた脂肪を減らすのは大変なことだ!」
と思われるかもしれませんが、かといって脂質を避けた食事を続けると次のようなリスクに繋がります。
・体力の低下
・脂溶性ビタミンの吸収率低下
・生殖機能の低下
・血管や組織の劣化
痩せたいばかりに健康を損なっては元も子もありませんよね。
体の健康を維持しながら、ダイエットやボディメイクに有効な食事バランスを保ちましょう。三大栄養素の摂取バランスを、「PFCバランス」といいます。PFCのPはタンパク質、Fは脂質、Cは糖質です。ぜひこの記事で、自分だけのPFCバランスを見つけてください!
PFCバランスの考え方
PFCバランスを3つのステップで考えましょう。
①1日の総摂取カロリーを決める
成人女性の1日あたりの総摂取カロリーは2000kcalが目安です。目標に合わせて、1日の摂取カロリーを決めてください。次に3つの栄養素のうち、どれをどのくらい摂取するかを決めます。タンパク質は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcal、炭水化物は1gあたり4kcaです。
②脂質の比率を決める
まずは脂質(F)の比率を決めます。脂質はタンパク質や炭水化物よりもカロリーが高いため、脂質から計算するとバランスを計算しやすくなります。
30〜49歳の女性のPFCバランスの目標は、脂質25%前後。ここから脂質を減らすとダイエットに効果的なバランスとなります(※厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年」より)
③タンパクの比率を決める
1日のタンパク質摂取量の目安は、体重1kgあたりで考えます。運動習慣がない場合は体重1kgあたり約1gの摂取が必要です。(※「2017年国際スポーツ栄養学会ガイドライン」より)。
④残りの比率を糖質にあてる
脂質とタンパク質の比率が決まったら、残りは糖質です。成人女性のPFCバランスの目標は、脂質25%前後、タンパク質17%前後、炭水化物25%前後と言われています。
1日あたりのPFC摂取量の標準的な目安
※PFCバランスは標準値であるP=17、F=25、C=58を元に算出
※厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年」より
正しいPFCバランスを把握して、日々の食事を考える参考にしてください!